古文単語565 赤版 - page 53

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「憂し」と漢字をあてる。 「倦
む」と同根と考えられ、ままなら
ぬ思いに嘆き嫌になる感じを言う。 「つ
他人の仕打ちを恨む気持ちが強いのに対し、
身の、思いどおりにならず晴れ晴れとしない気
人の行き通ふべき所にもあらざりければ、な
うしと思ひつつなむあ ける。
(伊勢)
=人が通って行くことのできる所でもないので、やはり
つら
と思っているのだった。
「人/の」 の 「の」 は主格。 「べき」 は可能。下の 「ざり (打
消の助動詞「ず」の連用形) 」とあわせて不可能「〜
できない」となる。 「る・らる」や「べし」は下に打
消語を伴うと 「可能」 の意にな こ が多く、 その場合、
打消語とあわせて不可能の意になる。
つらい
。いやだ
情けない
無 だ。
牛になるの
つらい
情けない
うし
(形・ク)
【憂し】
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文 法
1...,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63 43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,...298