古文単語565 赤版 - page 191

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「僅かなり」 と漢字をあてる。物事
ず)かだけ見えるところから、 「ほんの
という意味になった。中世以降は わづか
初雁のはつかに声を聞きしより中
なか
ぞら
にのみもの
を思ふかな
(古今)
ほんのちょっとだけ
あなたの声を聞いた時から、私の心は
ただもう落ち着 さまで思い悩んでいることだ。
「初雁の」は「はつかに」にかかる枕
まくら
ことば
。枕詞とは、
通常五音で、特定の語の上にかかって口調を整える和
歌の修辞法。 「山」
「峰」 などにかかる 「あしひきの」 や、
「天(あま・あめ) 」 「光」 「月」などにかかる「 さか
たの」などが有名 雁 と「中空 とは縁語。
ちょっと
ほのかだ。
二十日に
ちょっと
はつ
(形動・ナ
【僅かなり】
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文 法
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