い
ろ
は
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「聞こゆ」と漢字をあてる。中古の
て用いられたものとしては、 「聞こゆ
などがある。その中で最も主流だったの
「聞こゆ」は「思ふ」など心の動きを表す動
「奉る」は「見る」など動作を表す動詞につく
よろづの事を泣く泣く契りのたまはすれど、
いらへもえきこえ給はず。
(源氏)
=
帝がすべてのことを泣く泣 お約束なさるけれど、桐
きり
壺
つぼの
更
こう
衣
い
はご返事も
申し上げ
なさることができない。
「え/きこえ/給は/ず」の訳に注意。不可能の「え
〜ず」の中に、 謙譲語「きこゆ」と尊敬の補助動詞 給
ふ」が入っている。
1
(
「言ふ
)
申し上
る
。
(
手紙など
)
差し上げ
2
(
補助動詞
)
〜
し申し上げ
。
「聞こう
申し上げ
」
きこ
(動・ヤ
【聞こゆ】
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文 法