古文単語565 赤版 - page 96

96
「聞こゆ」と漢字をあてる。中古の
て用いられたものとしては、 「聞こゆ
などがある。その中で最も主流だったの
「聞こゆ」は「思ふ」など心の動きを表す動
「奉る」は「見る」など動作を表す動詞につく
よろづの事を泣く泣く契りのたまはすれど、
いらへもえきこえ給はず。
(源氏)
帝がすべてのことを泣く泣 お約束なさるけれど、桐
きり
つぼの
こう
はご返事も
申し上げ
なさることができない。
「え/きこえ/給は/ず」の訳に注意。不可能の「え
〜ず」の中に、 謙譲語「きこゆ」と尊敬の補助動詞 給
ふ」が入っている。
(
「言ふ
)
申し上
(
手紙など
)
差し上げ
(
補助動詞
)
し申し上げ
「聞こう
申し上げ
きこ
(動・ヤ
【聞こゆ】
66
文 法
1...,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106 86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,...298